前のお話
-
上の空の上|第6話|大切な人を看取った記録|006
続きを見る
第7話
あの日なぜか
疲れているのに
眠れなかった
あの日なぜか
深夜3時
私は起きていた
あの日なぜか
すぐに
タクシーが捕まって
あの日なぜか
道路工事がお休みで
あの日なぜか
信号は殆ど青だった
あの日なぜか
カーテンを過去最速で搔き分ける
あの日
何故か
カーテンを過去最速で搔き分ける
貴方の眉間に
見たこともないくらい深く
シワが刻まれている
不規則に悶える身体に合わせて
ベッドが軋む音がする
そこにいる全ての人間が
慌ただしく
行ったり来たりしている
ザワザワ
落ち着かず騒がしい
笑顔で出迎えたなら
ねぇ
いつもみたいに天気の話をしようよ
次のお話(第8話)
-
上の空の上|第8話|大切な人を看取った記録|008
続きを見る