インド|INDIA 上の空の上 旅コラム

【旅コラム】インド・ラジャスタンの旅①|真夜中のデリー空港|上の空の上のその先で

前回のお話|この旅のきっかけ

先日、インドを訪れるきっかけを書かせて頂きました。

もしよろしければ、是非こちらもご覧ください。

上の空の上のその先で
あれから|長い旅の始まりに|上の空の上のその先で

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この日記は少し前のことを振り返って書いております

 

さて始まるワン

真夜中のデリー空港に到着

トランジットのデリー空港に着いたのは真夜中だった

思っていたよりずっと寒い

 

「インドは11月から2月まで涼しいらしいから、その時に行こう!」

 

興奮気味に張り切っていた横顔を思い出す

 

「涼しいを通り越して寒いです」と報告をする

 

でも、まぁ暑いよりは良いよね

 

 

以前、4月にデリーを旅した友人(スポーツジム勤務の体力みなぎり系女子)がインド旅行中に暑くてヘロヘロになったと言っていた

 

彼女が土産話の最後に放った恐ろしい言葉がある

 

「ホテルとレストランの中以外、
岩盤浴より汗かいた。
タージマハルも岩盤浴の中にあった

 

 

・・・強烈だ

体力のない私

自慢じゃないけれど、私はすぐに疲れる

とんでもなく体力がない

運動能力が皆無で、昔から運動がとても苦手

二人組に補助されても一度も坂上がりが出来なかったほど(ちょっと意味不明?笑)

 

 

そんな体力のない私がインドを旅行する

体力温存に全力を注ぎたいところだ

 

えっ!全力注ぐ所、そこ?
うふふ

 

それにしてもデリー空港、真夜中とは思えないほど視界が忙しい

これから始まるラジャスタンの旅が、賑やかになりそうで嬉しい

 

メモ

ラジャスタンはジャイプールとプシュカルのある州の名前です

 

騒がしい世界

インド ジャイプールデーリー

インドにいる

心の中の大半が不安が占める

 

だけど確実に紛れていく寂しさを頼りに

私は乗り継ぎ便を待っていた

 

やたらと大声で話す人

確実に人通りの激しい場所で爆睡し、
跨がれても起きない人

それを注意しないどころか違和感すら感じていなそうな人々

欧米人のスマホを借りて嬉しそうにゲームをする子供

時々何となく注意をしては居眠りをする両親

 

 

毎秒、新しい出来事が更新される

その情報量の多さに深夜移動の疲れをすっかり忘れていた

 

いつの間にか固定概念や常識にどっぷりと漬け込んでいた脳みそが
いきなり天日干しされて怯んでいる

なんだかとても寛大な国だな

そんな風に思った

 

休めるところを探して

トランジットエリアはそこにいる人間の数に対して広さが十分ではなく、私は少し窮屈さを感じていた

 

どこかに座りたいなぁ

 

空いている長椅子を見つけた

どこもかしこも人がいっぱいなのにその長椅子だけ空いている

やったー

私はすぐに座った

 

そして

座った瞬間

この椅子がなぜ空いていたのかを知った

 

ひゃあ!

 

ステンレスの長椅子が氷のように冷えきっていた

ジーパン越しでも伝わる冷たさ

 

ただでさえ凍えていた私に追い討ちをかけてくる

 

椅子は疲れを和らげてくれるものだと思い込んでいた

それすら私の固定概念だったのかもしれない

 

史上最高に冷たい椅子だった

 

椅子の左側に設置されたエアコンが
深夜という時間帯にはあまりにも不釣り合いなほど
強力に冷風をこの長椅子に送り続けている

 

こんなにも全員が寒そうなのになぜエアコンをつけているのだ・・・

 

分からない

 

きっとこの椅子は製作中で冷やして固めるタイプの鉄が使われているんだろうな・・・

そうに違いないよね・・・

 

 

私は椅子に座ることを諦めた

 

続・休憩場所探し

どこで休もう・・・

空港を見回して改めて男性が多いなと思う

それは以前インドに来た時にも感じたことだ

 

空気に馴染む

私はインドに限らず旅先ではなるべく浮かないように心がけている

 

街の風景に馴染んで溶け込むことが身を守ることのような気がするから

都会的な女の子3人が隅っこのコンセントで携帯を充電している

私はその子たちの近くで休むことにした

その女の子たちに自分が馴染んでいるなんてさすがに思えないけれど
同性であるというだけで安心感を感じるもんだ

 

郷に入っては郷に従え?

「郷に入っては郷に従えだよね」と自分に言い聞かせ

空港の床に座り込む

椅子に比べて全然冷たくない

床より冷たい椅子って何・・・

 

空港の床に座り込み
空港泊をした日のことを思い出す

 

空港泊をした昔のこと

あれは確かトルコでのトランジットだったと思う
ドキドキして怖いのに眠気に負けて眠り込み抱えていたバックパックにヨダレをたらしてしまった

喉が乾くほど口を開けて寝ていた自分の図太さにも驚いた

 

きっと今はもう出来ない

いや出来るか?

 

床で横になるのは無理だけど
肘掛のない椅子ならいけるかな?

 

出来るけどしたくないかな

 

大人になったのかな?

大人になっちゃったのかな?

電車でもバスでもどこでも
乗り過ごすほど熟睡する私に

「寝るのは良いけど、荷物気をつけなさいよ」といつも心配してくれていた

 

「大切なものは前に抱えて眠るので大丈夫です」と言い訳した私に

 

貴方は「しょうがないわね」と言っていた

 

 

「しょうがないわね」って貴方の口癖だったかもな

 

今更気付いたよ

 

 

女の子たちの傍に座って少しだけ休憩した

もちろん眠ることは出来なかった

だけど女の子たちが忙しそうにTIkTokの撮影をしていたのでとても楽しく時間を過ごせた

 

おそらく飛行機の時間が来て、女の子たちは立ち去ってしまった

一言も喋っていないけれど、勝手に感じていた安心感を失って寂しくなる

 

腹痛・・・?

少しだけお腹が痛い気がする

だけどインド旅行=腹痛という固定概念がそうさせているだけだと自分に暗示をかける

 

「お腹が痛いなら百草丸よ」と言って
お弁当のソース入れに入れていつも持たせてくれた

念のため持ってきたけど、お腹が痛くならないことを祈っている

 

飛行機で腹痛は最悪だ

頑張れ自分

 

搭乗ゲートへ

搭乗ゲートがようやく発表された

ゲート番号を確認して搭乗口のすぐそばの椅子に腰掛ける

早朝便

デリー空港唯一の写真・・・早朝便

 

やっぱり椅子っていい

おしりに優しい

飛行機のチケット ちょっと疲れた アラサー 女の子 イラスト 漫画 四コマ 女性

搭乗時間になると搭乗口にたくさんの人が集まってくる

インドの人たちは隙間なく列を作る

私もいつもより気持ち詰めてみた

 

飛行機までのバスの中で

バスで飛行機まで移動した

車中で私の目の前に立っていた女性がブロックプリントのワンピースを着ていた

貴方が大切にしていたハギレを思い出す

 

そのハギレがきっかけになり、私は今インドにいる

 

元気なうちに連れてきてあげられなかったことへの罪悪感が一気に立ち込める

手作りの祭壇 アラサー 女の子 イラスト 漫画 四コマ 女性

もし貴方がここにいたら

この美しいワンピースを見つけて、声には出さず

「見・て」と口を動かすだろう

 

それから

目をまん丸くして口をすぼめて肩をあげる

 

涙がこみ上げる

 

その時、泣きそうな私の気持ちを遮るようにバスが急発進した

 

掴まることに必死で泣かずに済んだ

 

バスの真ん中が蛇腹になっていてとても揺れる

乱暴な運転に感謝することがあるなんて思いもしなかった

(続く)

次はようやくジャイプールに到着します
楽しみー!
写真をたくさん使うぞ!!
早く見たいなー!
お楽しみにー!

 

この日記は少し前のことを振り返って書いております

 

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