前のお話(第7話)
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上の空の上|第7話|大切な人を看取った記録|007
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第8話
昨日まで効いていた
痛み止めが
突然効かなくなって
貴方はとてもとても
苦しんでいる
私は弱虫で
貴方が重い病と戦っていること
いつのまにか
忘れてしまっていたらしい
向き合わなければいけない現実から
目をそらして
誤魔化して
逃げていた
不意に
無責任な私の心に
鋭い言葉が突き刺さり
私を強制的に現実に引き戻す
その時
未来が
圧倒的な絶望に支配されてしまった
「もう楽になろう。」
「もう十分頑張ったよ。」
一瞬耳を疑った
けど
空耳でも聞き間違いでもなかった
みんな
それが
唯一の選択肢のように
口にしている
私だけ馬鹿で
何も理解出来ない
それどころか
立ちくらみがして目眩がする
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上の空の上|第9話|大切な人を看取った記録|009
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