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【第46話|33歳という日々】夫婦二人で生きるのも幸せだって自分に言い聞かせている。子なし夫婦として生きる?
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第46話
正直
いっそのこと
何もかも諦めて
忘れてしまいたいと
何度も思った
元気だし
それなりに
笑えるし
2人でも幸せだ
私は幸せなんだって
何度も自分に
言い聞かせてきた
それでも
思いがはみ出る
悲しい夜には
自分を欲張りな人間だと
咎めて
涙を拭い
真っ暗な部屋の隅に
鎮めてきた
第47話
だけど
ふいに目に止まる
中刷りが
前触れもなく変わる
誰かのアイコンが
行き場のない母性が
「えりちゃんは赤ちゃいないのー?」
嫌味のない真っ直ぐな言葉が
毎月
正しく訪れる生理が
小さな子供に触れる
貴方の優しい指先が
必死に描いた
新しい地図を
何度も
引き裂いてしまう
街中で
人混みで
部屋の中で
夜から朝
朝から昼
そしてまた夜
嫉妬と
焦燥感が
どんどんと膨らむ
自分で
自分を見失うほど
今まで
出会したことのない
不機嫌で
意地悪な自分が
次々に生まれてくる
私…
何やってんだろう。
第48話
(私…どんどん嫌なやつになっていく)
自分が壊れていく音がする
こんな自分
もう
いい加減
本当に
嫌だ
(疲れた)
それなのに
どうしてだろう
無理矢理
押さえ込もうと
すればするほど
次々に
溢れ出してくる
(ズルイ、羨ましい、、許せない)
意地悪の裏側に隠した
本当の願いが
意地悪に
埋もれて
深く深く
沈んでいく
第49話
それでも
耳を澄ますと
涙に混じった震える声で
微かに
頼りなく
何かを
必死に
訴えている声が聞こえる
だけど向かい風が強くて
上手く聞き取れない
天気のせいにして
誤魔化してしまおうか
それともいつものように
貴方のせいにして隠れてしまおうか
ううん
そんなことしても
何の意味もない
それどころか
そんなことしてたら
きっと思った以上に
すぐそこの未来で
戻らない時間と
逃げ出したあの夜を嘆いて
後悔が降り積もる絶望的な日々が
始まるだけ
貴方と貴方に話そう
もう一度
貴方と話そう
第50話
これは
私たちの未来の話だ
妊活とか子供とかじゃない
それ以前の問題だ
もしも話し合いの末に
妊活を頑張ることになったとしても
私達のところに
子供が来てくれるとは限らない
だけど貴方は
確実に私の目の前にいる
私達は意図的に
手を離さない限り
この先どちらかが死んでしまうまで
一緒にいることを選び
今も誰に頼まれたわけでもなく
自ら一緒にいる
それなのに
確信に触れることなく
上澄みをすくい続ける
この安っぽい仮面夫婦生活
本音を言い合わず
不安や責任を押し付けあって分かり合えない
いや
分かり合おうとすらしない
未熟でもどかしい距離と日々が
作り上げてしまったお揃いの勲章
何かをお揃いにするなんて
もう二度とないと思っていた
そんな私達に送られた不名誉な勲章
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