上の空の上|第2話|大切な人を看取った記録|002

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第2話

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

私に気付くと
貴方はまず笑って

その後決まって
天気の話をする

 

食べることすら生活から排除され
毎日毎日同じ景色を眺める日々の中で

病状に関わることを除けば
この部屋に訪れる変化は
天気くらいしかない

そんな簡単なことに
やっと気付いたのは
梅雨になってからだった

いつもいつも天気の話ばっかりだねーって
私はなんて間抜けなんだ

追いつけないほどの変化が
突然
私を襲って

時間が足りないと
もがいて
息切れして転んでも

昨日と今日に違いがあることの愛しさを
噛み締めなくてはいけないんだ

あのね

貴方が新しいパジャマを着ていると
嬉しかったんだよ

 

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