猛烈な頭痛に見舞われて
窓を開けるといい風、いい空気。
クーラーに当たりすぎたかもしれないと思い
散歩へ行くことにした。
携帯は置いていく。
電磁波も私の頭を締め付けているかもしれないからな。うん。
お財布と家の鍵だけ持って夜風に当たりながら散策。
行き先はセブンイレブン。
都会でも田舎でもない街だけれど、特に何もない。
商業施設もスターバックスも徒歩圏内にない。
まぁいい。
一番の目的は、この頭痛の緩和。
私は歩きたいのだ、この夜風の中で。
音楽も聞かず、携帯も見ず、眠くもない。
こんな時ってなかなかない、なんて贅沢なんだ!
そんなことを考えながらセブンイレブンについた。
その時、
セブンイレブンから一人の女の子が退店した。
店内に比べ暗い街灯のせいで、彼女は逆光だったが、逆光を感じさせないほどの自家発電を起こしていた。
アメリカンドックを持ち、(すでにケチャップとマスタードをつけている。これを発明した人誰かな、すごいよなっていつも思う)
ショートパンツにただのTシャツ。
オンザ前髪に外ハネヘアーでも問題ない小顔。
少し濃いめの眉毛。
私は呟いてしまった。
「全部持ってるわ。」
圧倒的な何かを携えた彼女がこの店で唯一選んだアメリカンドック。
私はもともと脳裏によぎっていた大福をすっかり忘れ、レジに並んだ。
「アメリカンドックください。」
これをカリスマ性というのだろう。