時々、ふと会いたくなる

普段は別に何てことないし

いつもいつも頭をもたげているわけではない

 

だけど時々ふと思うことがある

 

あなたに会いたい

 

そんな時私は日本に帰るのが怖くなる

 

貴方を失って

これが初めての海外旅行だったから

帰っても貴方がいないのは初めてで

怖い

 

だいぶ日常になってきたけれど

それでもやっぱり非日常を過ごしている今の私には

実感というものがどうしても薄い

 

わざと薄めたくてここにいるんじゃないかと思うほど

 

一年経過してもなお、東京にいる時とは比べものにならないほど新鮮なことが起こる日々の中で

私はどこかで

貴方の死から遠く離れたこの場所で

夢見心地で別世界を生きている気がする

 

現実に

失ったものが

あまりにも大きくて

もしかしたらこれは私なりの防衛本能なのかもしれないけれど

 

 

だけど今日

うさぎの絵の靴下を見つけてしまって

私は

薄め切った脳みそで

貴方に喜んでもらえるかもなんて思ってしまって自爆した

 

さっきまで軽快に跳ねていたうさぎが

一気に淀んで土を乱すいたずらうさぎに見えてラックに戻した

 

これを買っても

もう貴方の足は

この世に存在しないんだから

 

冷え切った

むくんだ

あの布団から少しはみ出た足を思い出す

布団から出た足を

自分で戻すことも出来なくて足の指を少し動かして教えてくれてたっけ

 

寝たきりだと良くないから足の指を頑張って前後に動かしていたね

また立って

来年は花見に行くって言ってた

だめだ

 

また泣きそう

 

今夜

思い出すのはこれくらいにしておこう

 

明日朝起きたらありったけのドックフードをカバンに詰めて

可愛いワンコたちに会いに行こう

 

そうすれば

悲しみはまた薄まるから

 

本当に感謝だな

可愛い犬たち

私の友達

 

大切な人を失った時に書いたお話です

まだの方はコチラからご覧頂けます